私の大好きな漫画家の一人、『和田慎二』先生がお亡くなりになってもう10年になります。
漫画は今、多くが電子書籍化されていますが、
和田慎二先生作の漫画の電子書籍化は見通しがまるっきりありません。
本も絶版になっているものも多数。
ということは、読みたいと思ったら、今出回っている中古本を手に入れるしか今のところ方法がありません。
昔昔読んでいたのが懐かしく、どうしても読み返したくなってしまったんです。
そして、ここ1年くらいかけて、ヤフオクとメルカリで、かなりの作品を購入してしまいました。
かかったお金は・・・内緒です。
セット売りしていた作品も多々あったので、同じ作品が3冊そろってしまったものもあります。
退職したら(先が見えているようで、まだまだ先かも)、中古市場に出品してみようかなと、ひそかに考えております。
[say name=”ぼたもち” img=”https://botamochi8.com/wp-content/uploads/2019/09/bentou_obasan.png” from=”right”]いくらで売れるのかなぁ[/say]
また、退職後の楽しみが増えてしまいました。
でもまずは読むことが一番です。
今回の漫画は『大逃亡』

2冊ありますが、どちらも初版ではありません。
きれいな方を残しておこうかと思っています。

昭和49年1月ー2月の作品(1974年)


登場人物
- 主人公 マリア(江木万里亜)
- ローレンス・タルボット神父
- ティム神父
- 早瀬律子
- 保護司 沼重三
- 萩圭一(万里亜の恋人→節子の婚約者)
- 紫戸まさ(叔母)
- 紫戸節子(まさの娘)
- 紫戸一郎(まさの息子)
あらすじ
物語は万里亜が少年院からの脱走を遂げたところから始まる。
さかのぼること2年前、莫大な財産を相続した万里亜だったが、未成年だったため、叔母の紫戸まさに財産管理を任せることになる。
だが、まさは財産を乗っ取ることを考えていた。
万里亜には萩圭一という恋人がいた。
だが、圭一の親が銀行家だったため、財産管理にも口を出してくるという懸念からまさは結婚のことも反対していた。
逆に娘の節子を銀行家夫人にさせたいとの野望も持っていた。
そこでまさは息子一郎を使い万里亜を襲わせたが、逆に万里亜が一郎を刺してしまったため、万里亜は少年院送りになってしまった。
少年院の中で万里亜は、いじめにあって肩にバラの入れ墨を無理やり掘られたが、徐々に強くなり、『黒バラのマリア』呼ばれ、恐れられ、慕われるようになっていった。
あるとき、保護司沼重三から、恋人だった圭一がアメリカ留学に行き、その後を節子が追っていたと話を聞いた。
その後、圭一に会いたいという気持ちが強くなり脱獄を決行したのだ。
だが、圭一は、お金目当で紫戸節子と婚約していた。
絶望の中、逃亡中逃げ込んだ先の教会で万里亜を助けたのはローレンス神父とティム神父。
そこは孤児たちのホームでもあった。
やさしい場所に居心地が悪くなり、教会から逃げ出そうとした万里亜の後をついてきた子供、律子が熱を出し、結局教会に戻る万里亜。
保護司の沼重三は、万里亜が教会にいることを突き止めるも、ローレンス神父にとがめられ、
崖から川に落ちて、記憶喪失になってしまっていた。
その後、孤児たちにマリア・ママと慕われ、穏やかな暮らしを送っていた。
5年後、子供だった律子も大人になり恋人ができて、久しぶりに街に出た万里亜に紹介する。
街で少年を助けると、その母親にパーティに誘われる万里亜と律子。
パーティでは、その家の息子が律子の恋人だとわかる。
その一方で、幸せそうにラストダンスを踊るティム神父と万里亜を、パーティの出席者だった萩圭一と紫戸節子が驚いて見つめていた。
財産を手に入れようと紫戸家族が律子を誘拐。
助け出しに行くティムと万里亜、無事律子を保護したが、その時大地震が起こり
敵対していた沼重三を助けようとして傷を負う万里亜。
それが致命傷になり、万里亜は教会のみんなに囲まれながら、微笑んで亡くなってしまう。
感想
『大逃亡』主人公の万里亜。
生きていれば、ティム神父と結婚して幸せになれる・・・はずでした。
今読むと不思議なことばかり。
万里亜の年齢設定がない。学校に通っていたという話もない。
でも万里亜が脱獄した時、紫戸家では『万里亜が18歳になり刑期を終えて出てくれば・・・』と会話がなされていたところから察するに、少年院に入る前には16歳だったと推察されます。
高校にはいかせてもらえなかったということ?
律子の年齢もまた不思議。
マリアに出会った頃は小さい子供だと思っていたけれど、
5年後には恋人ができて、結婚を考えるほどの年になっています。
1974年当時は小学生だった私はまるっきり疑問に思うことはありませんでしたが、
大人になって読み返すと、色々考えてしまうんですね。
時代背景も50年前なのですが、それでも楽しんで読める作品です。
ずーっと大事に取っておきたいと思ってはいますが、
終活の際にはどうしましょう・・・
