コミック『愛と死の砂時計」に収録されていた短いお話です。
短いけれど、今考えると奥の深い難しいお話だったんですね。
小学生の私では何のことやら・・・・と思っていたことでしょう。
そしてこのお話は、私の持っている3冊の『愛と死の砂時計』のうちの1冊にしか収録されていません。

6版にはあって18版にはありません。
1977年から1881年の間のどこかで差し替えたのでしょう。

主人公は元気な高校生エコ。
父は頑固者で母はやさしくて、サラリーマンの兄という、ごく一般的な家庭環境です。
ある日、友達と手話をしている人と出会います。
そこでエコは口の不自由な人が会話しているのだと知りました。
友達に『なりたくてなったわけではない』と口の不自由な人の味方に付くエコ。
別な日、兄から連絡があり、喫茶店で待ち合わせをするエコ。
そこには兄と兄の彼女が先に来ていました。
彼女の名前は麻子。口が不自由でした。
エコは先日の話とは違って、結婚に反対。
兄が両親に紹介するも、やはり反対。
エコは兄と話して、6年前から付き合っていることを知り、兄の本気を理解して父に話す。
家を出ていく兄に、父から渡された財布を窓から投げ渡すエコ。
いつか笑って会える日が来ることを祈って、兄貴にさようならを言うエコでした。
表紙も含めて17ページの本当に短いお話です。
『和田慎二作』のコミックを全巻揃えても、もしかしたら読み損ねる作品も出てきてしまうんでは・・・とすこーし怖い思いもしました。